『BABYBABYBABY! -ベイビィ ベイビィ ベイビィ-』映画鑑賞日記

エッセイストでもある吉行和子

認知症でありながらも、てんてこ舞いの出産現場にテキパキと指示を出して、逆子で出産だった春江の赤ちゃんのお産も無事に乗り越えた平塚サエを演じたのは吉行和子です。吉行和子はNHK朝ドラ「あぐり」のモデルになった美容師の吉行あぐりが母親で、父親は作家の吉行エイスケです。

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実は料理ベタの女優さん

最近ではNHK朝ドラ「ごちそうさん」で杏が演じるめ以子の祖母役として出演していたほか、め以子がぬか床をかき混ぜるときなどに毎回ぬか床の声として語りを担当して、ぬか床からめ以子を見守っているという設定で、「ごちそうさん」は料理の場面や食べるシーンが多いドラマで、吉行和子も母親役などで調理をする場面が多くありますが、実際の吉行和子は料理の経験そのものもないようで、自宅には包丁もないとか。料理番組に出演した時にご飯を炊いていますが、ご飯を炊いたのが20年ぶりというからかなり驚きます。

お茶を飲む時にはどうするのかというと、茶葉とお水をいれてレンジでチンするという徹底ぶりです。そんな日々で不自由はまったく感じていないのに「このまま鮭さえ焼かずに終わってしまうのはどうなんだ。あまりも情けない」ということを思って、思い切って台所を総リフォームすることを思いついて最新式のキッチンへとリフォームをして、ピッカピカの調理器具を揃えてさぁキッチンに立つわよ!!と立ってみたら、綺麗なピッカピカのキッチンを汚したくない、と思ったとかで結局お料理をリフォームしたキッチンでしていないとか。さすがこれぞ吉行和子!というエピソードです。

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個性派女優

個性派のある役どころが多い吉行和子ですが、エッセイストとしての才能もかなりあります。考えてみたら、父親の吉行エイスケもダダイストで詩人でもありそして小説家でした。兄は直木賞作家で吉行淳之介そして妹は芥川作家の吉行理恵となると、才能だけではなく文筆業として常に文学を身近に感じる生活環境だったからこそ、文筆家となり作家となったはずです。家系が文筆業だからの一言ではすまない幼い頃からの生活環境があればこそだと思います。

そして成人しても喘息の薬を飲んでいることを、トーク番組で明かされていますが小さな時も喘息で体がとっても弱い子供時代を送って行く中で、病弱だったからこそ家の中で本を読んだり過ごされていたのでしょう。母親は美容師として忙しく働いていたので、ひどい喘息が出たときなどは岡山の祖父のところへ預けられるほど体の弱い子供時代を過ごしたそうです。

女優としてのキャリアは、劇団民藝附属の研究所に入所したことから始まります。体が弱いので女優になるつもりなど全くない状態で衣装係にでもなれればいいな、と思って受けてみたら女優候補としての採用となりました。初舞台は1955年で2年後の1957年には研究所ではなく、劇団民藝所属になって「アンネの日記」の主人公アンネ・フランク役に抜擢されて主役でデビューを果たしています。映画でビューは1955年で、日活と契約をしたのは1959年のことでした。映画では、「にあんちゃん」「才女気質」の演技で毎日映画コンクール女優助演賞を受賞しています。

劇団民藝を1969年に対談してからフリーになって、舞台「密の味」で紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞したり、そして映「才女気質」に「にあんちゃん」で毎日映画コンクール女優助演賞も受賞しています。それだけに留まらず『おもしろいと思ったものは出演する』というポリシー通りに、40歳を過ぎて性愛を扱った大島渚監督の作品に出演するときには周囲からの反対があったにもかかわらず、ご自分の意思を貫いて出演して世間をアッ!!と驚かせて見事に、日本アカデミー賞優秀主演女優賞を受賞したりと、女優とてのキャリアそして吉行和子の味わいがある個性的な作品に今も現役で出演し続けていらっしゃいます。

今回の役柄も認知症でありながら、お産の時には見事な指示とテキパキしたお産婆さんらしい役割を見事に演じられて作品の中でも吉行和子の出演でピリッとスパイスの効いた場面に仕上がっています。お母様のあぐりさんも長寿でいらしたので、まだまだ現役でいろいろな作品に出演して見事な演技を堪能したいものです。

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